FUJIKURA) ハーイ、ジョー!
JOE CURREN) ヘーイ。
FUJIKURA) どうしてる?
JOE CURREN) ちょっとのんびりしてたところ。
FUJIKURA) 昨日のトラッセルでのサーフィンはどうだった?
JOE CURREN) いや、乗らなかったんだ。歩いて浜に下りていったら、思ったより混んでいて。それに波はばらついてたし・・・。
FUJIKURA) そうか・・・。 ところでオレゴンからカリフォルニアに戻ってどのくらい?
JOE CURREN) おとといこっちに来た。
FUJIKURA) じゃ来たばかりのところに電話したんだ。
JOE CURREN) そう。こっちに用事があってオレゴンには一週間しかいなかった。こっちでやらなきゃいけない写真選びとかスポンサーへの写真のプレゼンテーションとか、来週は映画のプレミアとかね。それにアートショーも近づいているし。
FUJIKURA) いいねえ。オレゴンに家族で住んでいてカリフォルニアにも来れて、本当にいいライフスタイルだよね。カリフォルニアとオレゴンの割合はどのぐらい?20%カリフォルニアで80%がオレゴン?
JOE CURREN) 今年で3年目になるけど、オレゴンは5月、6月、7月、8月、9月、10月だから6ヶ月ずつだ。
FUJIKURA) オレゴンではサーフィンはよくやるの?
JOE CURREN) うん。夏はサイズが小さいけど、春と秋はかなりいいよ。サンタバーバラではちょうどいいボートじゃないと、春から秋はむずかしいからね。
FUJIKURA) そう、その通りだね。
JOE CURREN) だからサンタバーバラと同じぐらいオレゴンでもサーフィンしてるね。オレゴンでサーフィンできるのは冬だけど。
FUJIKURA) オレゴンの生活は自然環境も違うし、違ったライフスタイルだと思うけど、気に入ってる?
JOE CURREN) まだあそこで一冬ずっとというのを体験してないけど、それはかなり大変だと思うよ。雨は多いし。
FUJIKURA) そうだね。
JOE CURREN) 50から70インチは毎年降るからね。でも夏と秋は南カリフォルニアよりもいい感じ。でもこれからも冬はちょっと、オレゴンで過ごすかわからないな。
FUJIKURA)
そう。僕はまさにジョー・カレンの写真のスタイルのそこのところについて聞きたかったんだよ。
僕がジョーの写真を見て感じるのは、もちろん空気や海の冷たさもあるんだけど、それとは反対に温かい感情みたいなもの。そのようなことが伝えたいの?
JOE CURREN)
基本的には僕の写真は、僕が旅したところを伝えるものなんだ。
ほとんどは比較的寒冷地で、いわゆる典型的なトロピカルの、サーファーが行きたいと夢見る暖かいところで、ヤシの木があるような場所ではないんだ。僕が旅したところは暖かいところでさえ、西アフリカのシラカとか台湾とか、大半のサーファーが暖かい場所として好んで行くようなところではない。だから僕の写真は僕の旅の好みを反映している。
FUJIKURA)
そのとおり。ジョーはアフリカにしてもスリランカにしても、トロピカルなモンスーン地帯には行ってるけど、撮影された写真は、いわゆるトロピカル調の明るい色彩の写真ではなくて、少しトーンがアンダーだよね。それが見る側にはちょっと律儀で控えた感じがして、クールな印象を与えている気がするんだ。
日本のグリーンルームでの展示もすごく好評だったよね。皆とても楽しんだし、同時にこれがアーティスト、ジョーのスタイルだと思ったし。
JOE CURREN) ありがとう。
FUJIKURA) その写真のスタイルについてだけど、自分ではどんなことが影響して今のスタイルになったと思ってる?子供時代の経験とか、生まれた持った血からなのか、一緒に生活してきた家族なのか・・・。 プロ・サーファーとしての活躍から一転して写真家になったというより、もう一つ写真家としての肩書きが加わった、そんなように思えるんだけど。
JOE CURREN)
どんなふうに僕のスタイルの生まれたか?それは難しい質問だな。
いい質問だけど、僕にもはっきりとはわからない。
多分たくさんのことが関わっているけど、やっぱり家族の影響が大きいかな?僕の両親は僕や僕の兄姉に、自然の大切さとか人生に感謝することを教えてくれたから・・・。
それとサンタバーバラのような海や山の近い、とても美しいところに育ったことも関係していると思う。深い自然。キャンプ旅行によく出かけたよ。ブリティッシュ・コロンビアやノーザン・バーハーンまでロードトリップとか。サンタバーバラ郡まで2週間のカントリートリップもしたし・・。それが当時の僕らには当たり前の生活だったんだから。そんな経験したことがない人だって多いんじゃない?
だから両親がそういう経験をさせてくれて、その大切さを教えてくれたことは大きいと思う。
FUJIKURA) それはすごいことだよね。
JOE CURREN)
それに僕は子どもの頃からかなり物静かなほうだったから、僕の写真の雰囲気みたいなものはそれを反映していると思う。
あと、これはきっと自分の育ったところと関係してるのだろうけど、僕は広々とした場所が好きで、都会的なタイプじゃない。都会も楽しめるし、しばらくはいいんだけど、本当に好きなのは野外の広々とした、心が落ち着ける、美しく息を呑むような景色とか、平和な感じの場所なんだ。
FUJIKURA) なるほど。
JOE CURREN)
旅は小さいときから興味があったよ。読んだ本とかの影響もあって、幼いときから旅にはわくわくさせられるものがあった。
でも実際は16歳になるまで、旅には出てないけど。
FUJIKURA) え、そうなの?
JOE CURREN)
うん。僕の家族は全員サーフィンをするんだけど、覚えている最初の記憶はバンで、両親、兄、姉と僕でメルセデスのカーゴバンに乗って・・・。一年位かな?いつも移動しながら。それが僕に大きな影響を与えた。
それから、もう一つは、兄貴(トム・カレン)のサーフィンコンテストの全米チャンピオンシップのために国を端から端まで車で移動した記憶。
FUJIKURA) サーフィンの聖地を子どもの頃から回ってたんだと思ってたよ。 じゃあ、始めのうちはほとんどサンタバーバラの地元でサーフィンしていたわけだ。
JOE CURREN) そう。地元でね。
FUJIKURA) それは面白いね。
JOE CURREN) サンタバーバラはとてもきれいなところだと思ってたよ。波は本当に素晴らしいし、世界の中でも、すごくきれいな場所に違いないと思ってた。
FUJIKURA) サンタバーバラはすごくきれいなところだよ。ずっといるのに十分だ。僕自身ハワイのさんご礁よりカリフォルニアの冷たい海と昆布や砂のにおいのほうに惹かれるね。
JOE CURREN) 僕も感覚としては冷たい場所のほうが合ってるんだ。正直なところ、暑くて湿度の高いところでは、太陽の下に出て行く気になれない。
FUJIKURA)
それは僕も含めて一般的にジョーの写真について語るとき、テーマとして感じることだと思うよ。そこがまたおもしろい。
旅した場所で一番のお気に入りは?もう一度行きたいところとか?
JOE CURREN) 難しいね。もう一度行きたいところはたくさんあるよ、ニュージーランドとかスカンジナビア諸国とか、ノルウェー、アイスランドなどは大好きだ。でもここ数年は行ったことのないところに行こうとしている。僕のサーフィンのキャリアとしては、大体毎年同じ場所に行ってたから。それはそれでいいんだけど、もう余り時間がないとわかると、できるだけ多くの場所を見たいと思う。だから、新しいところだね。
FUJIKURA) たとえば次はどこに行きたい?
JOE CURREN) 行きたいと思っていて、今のところはただ、行きたいと夢見ているだけだけど、キューバにカストロが力を失うまでに行きたい。
FUJIKURA) それはおもしろいだろうね。
JOE CURREN) ぜひ写真を撮りたい。あとはチリにも行きたい。モロッコ、それからサーフィンではないところで、東ヨーロッパ、ヒマラヤの国々とかは、撮影にはいいだろうな。
FUJIKURA) 日本は?
JOE CURREN) 日本にも行きたいところはあるよ。とくに寒いところにね。
FUJIKURA) 北海道は?
JOE CURREN)
実は北海道はこの夏行ったんだ。
台風のいい波に当たったよ。
FUJIKURA)
そりゃ、よかったね。
最後になったけどブエノ!ブックスから写真集が出たことはどう?
JOE CURREN) すごく興奮してる。僕の最初の写真集だ。写真家は誰でも写真集を出したいと思っているからね。だからどんなに興奮してるか言い尽くせないよ。これまで6、7年間ノンストップで旅をした結果としては上々だよ。
FUJIKURA) きっとたくさんの人が本を見て感激すると思うよ。これからもいい旅を続けてね。ジョー、今日はありがとう。
