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Surfer's Art Books Topics

芝田満之 interview

Bueno!) どうもです。芝田さん。
今日はずいぶん長いお付き合いになるブエノのプロデューサー上平さんも一緒に『サマーボヘミアンズ』を作ったいきさつなんかから伺っていこうかな、と・・・。

SHIBATA) 今までの本は人におまかせで作っていただいて。で50歳になるってこともあって、自分の思うとおりの写真集を1冊まとめられないかなあ、ってしばらく考えてて。はじめて自分で写真集用に写真を整理したり組みを考えたりしていたところ、ちょうどブエノブックスが立ち上がって。

Bueno!) 芝田満之の写真集としてはサーフィンの写真数枚しか入ってませんけど・・・。

SHIBATA) あ、僕のサーフィンってあんな感じ。海行っても別に波乗りだけ、がつがつするんじゃなくて、ビーチに目が行ったり空を眺めたり。光がきれいなところを見て・・・。波乗りそのものはごく一部。

Bueno!) えーっ。でも実際はけっこうサーフィンしてますよね。

UEHIRA) 種子島行ったときもビーチ着くなり誰よりも早く着替えだして、一番遅くまで上がってこなかった。

SHIBATA) (笑)そうかな。じゃあ、がつがつしたくないって思ってるだけかもしれない。
まだそれこそ20代の若い頃は仕事で写真撮りに行くんでも、サーフィンしてる写真も撮らなくちゃいけなくって。今みたいに選べなかったんで。そうするといつも(波乗りをフィーチャーしてる写真は)できるだけ早く済ませて、早くほかの写真撮りたくって仕方なかった。
それで自分の撮りたい写真はこんなふうにしたらどうかな、とかこの光がきれいだからちょっとエヘ(村瀬勝宏氏)ここに立ってみてとか、公平さん(千葉公平氏)あそこに座ってとか、いろんなこと考えて写真を作っていた。

Bueno!) でもそうは言っても若い頃はノースショアで思いっきりサーフィンばっかりみたいな時代もあったんでしょう?

SHIBATA) いや、でもノース行っても、どうやって雨をきれいに撮るか真剣に考えてた。

UEHIRA) 昔からあんまり変わってないよね。そういうの。夕暮れ時になるとそわそわしていなくなって・・・。

SHIBATA) そうそう。サンセットの後のきれいな時間ってホント短いからね。それとか僕、早朝、誰もまだ歩いていないビーチを歩くのも好きなんだよね。そうするとだんだん明るくなって必ずきれいになってくる。太陽が出ても、どんより曇っていても絶対きれいになる・・・。

UEHIRA) 芝田の写真ってぼあっ、ぼあっとかっこいい映像があるんだけど、それを押し付けてこない感じがいいよね。

Bueno!) 芝田さんの写真の世界は誰が見ても美しいし、本当にセンスがいいから海外のアートブック屋さんでも評判がいい。しかも昔撮った写真も今の写真もわからないくらいスタイルが変わっていないっていうのもすごい。

SHIBATA) ありがとうございます。時代感をクロースアップしないからね。たぶん。あとまあセンスとかは習得できるものじゃないじゃない?だからもともと生まれ持っていたんだと思う。自分の写真の一番こだわってるところってやっぱり「きれい」ってことだし。だから自分できれいじゃないと思う写真だと、どんどんはずしちゃう。いまだにほかの海のカメラマンにすごいって思う人もいないんだよね。

Bueno!) それだけ自分の世界観がはっきりしてる?

SHIBATA) 昔、湘南に移って最初のルームメイトが西岡だったんだけど、そのあと大野薫と一緒に住みだして一緒に飲みに連れて行ってもらったり遊びに行ったりしても、いっつも薫ちゃんに「おい芝田、あそこにいる女の子たち撮るんだったら何ミリ(レンズ)?」とか聞かれるわけ。それで僕もその頃ぜんぜんわかんなくって「20ミリ」とか適当なこと言っちゃうと、薫ちゃんに怒られて。「バカ。そんなんでかっこいい写真撮れるわけないだろ」みたいな。「じゃあこのグラスはどう撮る?」とかそんな感じでいっつも考えるようにさせられてたから、今の僕はその当時のまんま来てる。

Bueno!) サマーボヘミアンズに大野薫さんのことばを載せたけど、そのことばとサマーボヘミアンズの世界のぴったり一致感ってすごいですよね。思い出とか不確かであいまいな断片とか、まさに芝田さんが写真で表現してる。

SHIBATA) 僕なんか大野薫に作られたサイボーグみたいなもんだから。(笑)

Bueno!) でもそのもっと昔に、影響されたりあこがれたカメラマンとかいなかった?

SHIBATA) いましたよ。高校生のときとか学校でサーフィンの雑誌見ていろんなこと知るしかなかったけど、グレッグ・ピーターソンとかウッディ・ウッドワース。どちらもものすごくメジャーなサーフィンフォトグラファーじゃないけど。
グレッグ・ピーターソンが撮った写真がSURFERの表紙に載ってて、その写真ってサーフィンしてる写真じゃなくって、向こう側で波が割れてて、サーファーは砂浜でボードをかかえて動き出そうとしている光景。それ見たとき「うわーっ、こんないい世界があるのか!」って。最近になってSURFERの50号記念にその写真も選ばれてて、うれしかった・・・。

Bueno!) ところで芝田さんは映画のカメラマンとしても数々の作品がありますよね。去年もちょうど『サマーボヘミアンズ』の発売間近のときはタイの田舎にこもって映画の撮影してたでしょう?

SHIBATA) あ、あれは沖縄の話なんだけどタイにぴったりの町があって、そこで撮影してた。あれはぜひ見てほしい。すっごくきれいに仕上がっているから。9月に公開。

UEHIRA) へえ。芝田が自分からそんなに言うのってめずらしいね。

SHIBATA) いやあ。「芝田ワールド」にできたと思う。

Bueno!) それは記憶の奥をたどるようなロマンチックな映像ってこと?楽しみですね。
それに実はちょうどもう1作、このゴールデンウィークに竹中直人さん、三浦春馬さんらが主演の『キャッチ・ア・ウェーブ』が封切されるんですよね。当時高校生だった豊田和真が書いた小説が原作となってるサーフィン映画って言っていいのかな?サーフィンが舞台の映画ですよね?

SHIBATA) そう。これは日本のワーナー・ブラザーズが初めて製作も手がけた映画で、これから全国400箇所で封切される。いろいろな制約の中でサーフィンを撮影しなくちゃならないから、サーフィンのところは不満が残るけどサーフィンを知らない人にも娯楽として楽しんでもらえるかな?

Bueno!) そのあたりブエノでもレポートしてみたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

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